HRD部門の今後

■人材開発部門存在価値向上への道

 人材開発部門が現在行っている価値提供のためのサービスは主に社員研修という形態を通じて行っています。社員研修は、主に階層別研修、目的別研修、そして選抜教育です。その中で、選抜教育に関しては、経営トップから研修効果について問われることは少ないと思います。理由は経営トップの関与が高く、育成方式も単発の研修ではないアクション・ラーニング形式を長期間採り入れている企業が多く、経営トップ自らが研修効果について肌で感じていることが多いからです。

 しかし、実際に選抜教育に投資されている教育費用は、全体の1割程度であり、残り9割を階層別研修、目的別研修に投じられているのが現状です。これらの社員研修は、選抜教育のように費用をかけることができず、単発(一回限り)の社員研修で行われるケースがほとんどです。

 その中で特に重要なテーマ(管理者研修など)については、長期間繰り返されるアクション・ラーニング形式とまではいかないまでも、それに準じた研修効果を得たいということで、研修後にフォロー研修を実施することが多いようですが、実施した割にはそれほど手応えが感じられないという声をよく伺います。
 手応えを感じないというのは、研修内容が職場で実践されていないということで、「研修内容を定着させるためにフォロー研修を実施したが、実際にはフォロー研修の前後だけ研修内容を実践し、定着には程遠い」といったことです。このように、どうしても研修を実施するだけでは限界があります。大きな理由として、研修内容の職場での実践は受講生任せることになり、また学習したことが実践に移され、定着するまでには一定期間必要となりますが、人員が不足しがちな人材開発部門にとっては十分なフォロー対応ができないからです。

 
行動変容度の変化図2
 
 このような障害を乗り越えるため、私たちは、社員研修内容を現場に実践に移すことに関しての研究を重ね、これまで数多くの社員研修をコーディネートしてきた実務ノウハウを融合し、アクション・ラーニング形式と研修形式の長所を採り入れたゼミ形式によるトレーニング「PIS」サービスを開発しました。この従来の社員研修の枠を超えた「PIS」サービスを、人材開発部門の存在価値向上への糸口として御提案します。
 
行動変容度の変化図2